居酒屋の人手不足を解消する3つの採用・定着戦略|スタッフが辞めない職場の作り方
コロナ後の需要急回復で深刻化する居酒屋の人手不足。採用コスト増・離職連鎖を止める「心理的安全性」「面接の見極め」「給与テーブルの明文化」を実践的に解説します。
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「2年前は18人いたスタッフが、今や9人に半減してしまった——」
これは特定の店の話ではありません。コロナ後の需要急回復で客足が戻ってきたにもかかわらず、肝心の人手が追いつかず、採用コストだけが増え続ける。そんな悩みを抱えた居酒屋オーナーからのご相談が急増しています。
スタッフが減れば既存メンバーへの負荷が増し、疲弊してさらに辞める——という離職連鎖に陥るケースも珍しくありません。
この記事では、採用・定着・職場づくりの3つの視点から、今日から実践できる具体的な手法をお伝えします。
1. 「辞めない職場」の土台は心理的安全性にある
Googleが2万人以上のチームを対象に行った調査で、最も成果に影響した要因は「心理的安全性」でした。難しい言葉に聞こえますが、飲食の現場で言えば「ミスを正直に言えるか」「わからないことを聞けるか」というシンプルな話です。
では、心理的安全性を高めるには何から始めればいいか。手軽で効果的なのが360度評価の導入です。
360度評価とは、上司だけでなくアルバイトスタッフや同僚など、全方位から評価し合う仕組みです。難しく考える必要はありません。最初は以下のようなチェックリストを月1回まわすだけでOKです。
評価チェックリスト(例)
- 出勤時・退勤時に挨拶をしているか
- ミスをしたとき、正直に報告しているか
- 他のスタッフへの感謝の言葉があるか
- 無断遅刻・無断欠席をしていないか
これらは「足切り基準」として運用し、クリアできていない場合は面談の機会を設けます。「当たり前のことでは?」と感じるかもしれませんが、こうした基本マナーを組織の共通ルールとして明示することで、チーム全体の安心感が格段に上がります。
2. 面接は「すり合わせの場」——採用前に見極める2つのポイント
人手不足が続くと「とにかく来てくれる人を採ろう」と焦りがちです。しかし採用のミスマッチが、後の離職連鎖を引き起こす最大の原因です。
採用面接で必ず確認したい点は2つあります。
ポイント①:退職理由の「矢印の向き」を見る
前職を辞めた理由を深掘りしてみてください。「シフトが合わなくて」「店長が怖くて」という答えの場合、問題の矢印が外側(他者・環境)に向いています。一方で「もっとホールの仕事を覚えたくて」「もう少し稼ぎたかったので」という答えは、矢印が自分の成長に向いています。
後者のタイプは、困難にぶつかっても自分で乗り越えようとするため、定着率が大幅に高まります。実際にこの見極めを実践しているオーナーの話では、「自己変革の意識を面接で引き出せた候補者は、8割方採用プロセスの完了に近い」とのことです。
ポイント②:3日間のトライアル期間を設ける
面接だけでは人柄はわかりません。書類・面接通過後、本採用の前に3日間のお試し勤務を設けましょう。お店側も候補者側も「合わなかったら終わり」と割り切れるため、お互い気楽に実態を確認できます。採用後のミスマッチを防ぐ、非常にコストパフォーマンスの高い手法です。
3. 「何ができればいくら上がるか」を入社前に見せる
時給1,200円でも激務なら応募は来ません。都心では、おしゃれなカフェや宅配サービスといった「楽そうな仕事」に求職者を取られてしまいます。
待遇改善はすぐには動けない場合もありますが、今すぐできることがあります。それは「スキルと給与の連動テーブル」を明文化することです。
給与テーブルの例
| スキル | 時給 |
|---|---|
| 未経験・ホール補助 | 1,200円 |
| ドリンク・フード注文対応 | 1,300円 |
| クレーム対応・新人教育ができる | 1,450円 |
| 発注・売上管理ができる | 1,600円〜 |
入社時にこの表を見せ、「3ヶ月後にここを目指せる」と伝えるだけで、スタッフのモチベーションは大きく変わります。「どうせずっとこの給与」という閉塞感が離職の大きな要因になっているからです。
なお、時給アップを本社や経営者に交渉しても難しい場合は、スタッフ一人あたりの担当業務を絞るという自衛策も有効です。「全員が何でもできる」状態を目指すより、得意領域に集中させることで生産性を上げ、負担感を減らすことができます。
まとめ:スタッフが安心して働ける職場が、リピーター獲得の土台になる
今回ご紹介した3つの施策を振り返ります。
- 360度評価で職場の心理的安全性を高める
- 退職理由の深掘り+3日間トライアルで採用ミスマッチを防ぐ
- スキル別給与テーブルの明示でモチベーションと定着率を上げる
スタッフが安心して働ける環境が整ってはじめて、接客の質が上がります。そして接客の質が上がってこそ、お客様との信頼関係が生まれ、リピート率の向上につながっていきます。
現場がしっかり回るようになったら、次は常連客との関係を仕組みで深めるステップです。TORQで再来店を自動化する →



