飲食店の営業利益率は平均5%以下。損益計算書の5つの利益を理解して利益率を改善する方法
飲食店の営業利益率は平均5%以下と言われています。損益計算書の構造を理解し、原価・人件費・賃料のバランスを整えて利益率を高める具体的な方法を解説します。
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1ヶ月無料で試す →「毎月忙しく働いているのに、手元にお金が残らない」——そんな悩みを抱える飲食店オーナーは少なくありません。その原因の多くは、どの段階で利益が消えているかを把握できていないことにあります。
この記事では、損益計算書の読み方と飲食店の損益構造を具体的な数字で解説し、営業利益率を高めるための実践的なアクションをご紹介します。
飲食店の「利益」は5種類ある——あなたはどこで損をしているか知っていますか?
損益計算書(P/L)には、大きく5種類の利益が登場します。
| 利益の種類 | 意味 |
|---|---|
| 売上総利益(粗利) | 売上 − 原価(食材費) |
| 営業利益 | 粗利 − 固定費(人件費・賃料等) |
| 経常利益 | 営業利益 ± 借入利息などの営業外損益 |
| 税引前当期利益 | 経常利益 ± 特別損益 |
| 当期利益 | 税引前当期利益 − 法人税等 |
飲食店経営において特に重要なのは、「粗利(売上総利益)」と「営業利益」の2つを毎月追うことです。
- 粗利:食材の仕入れコストをどれだけ抑えられているか
- 営業利益:本業でどれだけ稼げているか
この2つを月次で確認するだけで、改善すべきポイントがはっきり見えてきます。帳簿を眺めて「なんとなく厳しい…」で終わらせず、「粗利が落ちているのか、固定費が膨らんでいるのか」を切り分けることが経営改善の第一歩です。
数字で見る飲食店の損益構造|原価率30%と固定費が利益率を左右する
「わかった気がするけど、自分の店に当てはめるとどうなるの?」
飲食業界の平均的な損益構造を、売上1,000万円の店舗を例に見てみましょう。
| 項目 | 金額(目安) | 売上比 |
|---|---|---|
| 売上 | 1,000万円 | 100% |
| 原価(食材費) | 300万円 | 30% |
| 粗利(売上総利益) | 700万円 | 70% |
| 固定費(人件費・賃料・光熱費等) | 500万円 | 50% |
| 営業利益(理想値) | 200万円 | 20% |
これは「うまく管理できている場合」の目標値です。実際の飲食店の平均営業利益率は約5%前後と言われており、固定費の管理が少し甘くなるだけであっという間に赤字転落します。
固定費の中で最も大きいのが人件費で、次いで賃料・水道光熱費・消耗品と続きます。「売上は上がっているのに利益が出ない」という場合、たいていは人件費か賃料の比率が高くなりすぎているケースがほとんどです。
また、銀行は融資審査で「営業利益」を最も重視します。追加借入や資金調達を検討する際、担当者が真っ先に確認するのがこの数字です。本業の稼ぐ力を示す指標なので、経営の健全性を証明するためにも、営業利益の管理は欠かせません。
営業利益率を高める3つの実践アクション
利益の構造が見えてきたら、次は具体的な行動に移りましょう。
① 原価率を毎月チェックする習慣をつくる
原価率30%を目安に、月次で実際の数値を確認しましょう。仕込みのロス・食材の廃棄・スタッフの賄いなども原価に影響します。「先月より原価率が上がった」と気づいた段階で即座に原因を探ることが大切です。
② 人件費と賃料の比率を定期的に見直す
飲食業界の目安として、人件費は売上の30%以内・賃料は売上の10%以内がよく使われる指標です。これを大きく超えている場合、シフトの最適化やメニューの単価見直しを優先的に検討してみてください。
③ 月1回、30分だけ損益計算書を「読む」時間をつくる
月に一度、30分だけ損益計算書を眺める時間をつくるだけで、経営判断の精度が大きく変わります。「粗利が下がっているのか」「固定費が増えているのか」を切り分けられれば、打つべき手が自然と見えてきます。
再来店率を高めることが、最も効率的な利益改善策
「原価も固定費もすでに絞っている。これ以上どこを削ればいいの?」
そう感じているオーナーさんに知っていただきたいのが、「既存顧客の再来店率」という視点です。
新規のお客様を集めるには広告費・SNS運用・グルメサイトへの投資が必要です。一方、一度来てくれたお客様に再び来ていただくコストは、新規集客の5分の1以下とも言われています。
つまり、再来店率を上げることは、新規集客を大幅に増やすことと同等、あるいはそれ以上に営業利益の改善につながるのです。
具体的な手法としては、次のようなものが効果的です。
- 退店後に自動でお礼メールを送り、来店の余韻と記憶を残す
- 一定期間後にデジタルクーポンを自動配信して、再来店のきっかけをつくる
- 友人紹介の仕組みを整え、口コミが自然に広がる流れをつくる
- QRガチャなどの体験演出で、「また来たい」と思わせる楽しさを提供する
これらは「やるべきだとわかっていても、手が回らない」という声をよく聞きます。忙しいオーナーさんほど、こうした仕組みを自動化することで得られる恩恵が大きくなります。
まとめ
飲食店の営業利益率は平均5%前後と非常にシビアな世界です。しかし、損益計算書の構造を理解し、「粗利」と「営業利益」を毎月追う習慣をつけるだけで、経営改善の優先順位は格段にクリアになります。
原価率30%の管理・固定費コントロール・そして既存顧客の再来店促進——この3つを地道に積み上げることが、利益率を高める王道です。



