飲食店の損益分岐点とは?計算式と固定費削減で黒字化を早める3つのステップ
「いくら売れば赤字にならない?」飲食店経営の最低ラインを示す損益分岐点の計算式を、居酒屋・ジュース屋の実例数字でわかりやすく解説。固定費削減で黒字化を早めるコツも紹介します。
飲食店のリピーター・売上アップを自動化したい方へ
1ヶ月無料で試す →飲食店の損益分岐点とは?計算式と固定費削減で黒字化を早める3つのステップ
「毎月それなりに売れているのに、なぜか手元にお金が残らない」「目標売上をどう決めればいいかわからない」——そんな悩みを持つ飲食店オーナーは少なくありません。
その解決のカギが損益分岐点です。この数字を把握するだけで、経営目標の設定や資金繰りの見通しがぐっとクリアになります。難しそうに聞こえますが、計算自体はシンプルです。今回は実際の数字モデルを使いながら、わかりやすくお伝えします。
損益分岐点とは「赤字にならない最低売上」のこと
損益分岐点とは、利益もゼロ・損失もゼロになる売上高のことです。言い換えると「これだけ売れば赤字にならない」というギリギリのラインです。
この数字を知らずに経営していると、目標売上に根拠がなくなり、「なんとなく先月より売れたからOK」という感覚的な判断になってしまいます。逆に損益分岐点を把握していれば、「今月はあと〇万円売れば黒字」と具体的な行動目標が立てられます。
まず費用を「固定費」と「変動費」に分ける
損益分岐点を計算するには、まず自店舗のコストを2種類に分類することから始めます。
固定費:売上に関係なく毎月かかる費用
- 家賃・リース料
- 正社員・オーナー夫婦の人件費
- 通信費・システム利用料 など
変動費:売上に連動して増減する費用
- 食材・飲料の原材料費
- アルバイトの時給
- 水道光熱費の変動部分(売上の約1.5%が目安) など
たとえば10坪20席の居酒屋モデルで考えると、固定費は「家賃15万円+夫婦人件費20万円+通信1万円+水道光熱費固定分4万円=合計40万円」といったイメージです。まずはこの固定費の合計を正確に把握することが第一歩です。
損益分岐点の計算式:2ステップで求められる
固定費と変動費が整理できたら、次の2ステップで損益分岐点売上高が計算できます。
ステップ①:限界利益率を計算する
限界利益=売上高-変動費 限界利益率=限界利益 ÷ 売上高
たとえばジュースを1杯500円で販売し、原材料などの変動費が200円なら:
- 限界利益:500円-200円=300円
- 限界利益率:300円÷500円=60%
ステップ②:損益分岐点売上高を計算する
損益分岐点売上高=固定費 ÷ 限界利益率
固定費が月50万円・限界利益率60%のジュース屋なら:
- 損益分岐点売上高:50万円 ÷ 0.6=約83万円
- 1杯500円で割ると:約1,670杯売れば黒字
この「毎月1,670杯」が経営の最低ラインです。日割りにすれば1日約56杯。具体的な数字になると、スタッフへの共有や販促の優先度判断にも使いやすくなります。
固定費を削減すると損益分岐点がグッと下がる
損益分岐点を下げる最も確実な方法が固定費の削減です。
先ほどのジュース屋モデルで、固定費を50万円から40万円に削減したとします。
- 新しい損益分岐点売上高:40万円 ÷ 0.6=約67万円
- 必要販売数:約1,330杯
固定費を10万円削るだけで、必要な販売数が約300杯も減少します。逆に言えば、売上を300杯分増やすのと同じ効果が、コスト削減で得られるわけです。
固定費の見直しポイントとしては以下が挙げられます:
- 使っていないサービス・ツールの解約(POSオプション、複数サブスクなど)
- 通信費・電気料金プランの見直し(乗り換えだけで月数千円〜数万円の削減例あり)
- 人件費の最適化(繁閑に合わせたシフト設計の精度を上げる)
固定費の見直しは「削れたらラッキー」ではなく、損益分岐点を直接下げる経営戦略として、毎月定期的に行うことをおすすめします。
まとめ:損益分岐点を把握したら、次は「超え続ける仕組み」を作る
今回のポイントをまとめます。
- 費用を固定費と変動費に分類し、毎月の固定費総額を正確に把握する
- 限界利益率を計算し、「固定費 ÷ 限界利益率」で損益分岐点売上高を求める
- 固定費削減を定期的に見直し、損益分岐点そのものを下げる習慣をつける
損益分岐点を計算したあとに多くのオーナーが直面するのが、「わかったはいいが、どう安定して超え続けるか」という課題です。新規集客はコストがかかる一方、既存のお客様に繰り返し来ていただく再来店施策は、変動費を抑えながら売上を積み上げられる最も費用対効果の高いアプローチです。



