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食材費高騰で原価率が10%悪化したら?元に戻す値上げ計算と段階的値上げ計画の立て方
売上・経営改善

食材費高騰で原価率が10%悪化したら?元に戻す値上げ計算と段階的値上げ計画の立て方

食材費の値上がりで原価率が28%→38%に悪化した場合、実は35.7%の値上げが必要です。正しい計算方法と、客離れを防ぐ段階的値上げ計画の立て方を解説します。

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食材費高騰で原価率が10%悪化したら?元に戻す値上げ計算と段階的値上げ計画の立て方

食材費の値上がりが止まりません。小麦・油脂・水産物・野菜と、あらゆる食材が2〜3年前とは別物の価格になっています。「値上げはした。でも利益が全然戻らない」と感じているオーナーさんは多いのではないでしょうか。

その感覚、実は正しいのです。原価率の悪化を取り戻すには、思っている以上の値上げが必要だという現実があります。今回はその計算方法と、客離れを防ぎながら価格を戻す現実的な戦略をお伝えします。


H2: 「少し値上げした」では足りない理由——正しい値上げ幅の計算方法

まず、原価率が悪化したときに「元の利益率に戻す」ために必要な値上げ幅を正しく計算してみましょう。

計算式はシンプルです:

必要値上げ率 =(新原価率 ÷ 旧原価率)− 1

具体例で確認

原価率の変化必要な値上げ幅
28% → 38%(+10ポイント)35.7%の値上げ
40% → 50%(+10ポイント)25.0%の値上げ

たとえば、原価率が28%から38%に上昇してしまったケース。元に戻すには35.7%の値上げが必要です。1,000円のランチセットなら、1,357円にしなければ原価率は回復しません。

「それは無理だ…」と感じましたか?でも実は、多くのお店が「10%値上げしたから大丈夫」と思いながら、実際には原価率の悪化の半分も取り戻せていない状態が続いています。

8%の値上げで改善できる原価率は約3%にとどまるのが現実です。値上げ額が足りていないまま、ずるずると薄利経営を続けているお店が非常に多いのです。


H2: 一気に値上げしなくていい——「段階的値上げロードマップ」の作り方

「35%も値上げしたらお客さんが来なくなる」というのは当然の心配です。だからこそ、段階的・計画的な値上げが必要になります。

3ステップで考える値上げロードマップ

Step 1|まず現在の必要値上げ幅を計算する 現在の原価率 ÷ 目標原価率(例:28〜32%)で倍率を出します。この数字が「ゴール」です。

Step 2|2〜3年のスケジュールに分割する たとえば「今春8%→来春10%→2年後5%」のように、1回あたりの値上げを小幅に抑えて複数回に分けます。毎回の値上げ幅を5〜10%に収めることで、お客さんが感じる「驚き」を和らげます。

Step 3|値上げのタイミングをメニュー改定に合わせる 「また値上がりした…」と感じさせず、「新しいメニューになった」と感じてもらうのがポイントです。旬の食材を使った新メニューの追加や、盛り付けのリニューアルと組み合わせることで、価格改定への抵抗感が大きく変わります。

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H2: 「うちのお客さんは高いものを頼まない」は本当か?——付加価値で単価を上げる考え方

値上げを検討するとき、多くのオーナーさんが「うちのお客さんは1,000円以上は出さない」と言います。しかし、これはお店側の思い込みであることが少なくありません。

実際には、「なぜその値段なのか」が伝わっていないだけのケースがほとんどです。

「500円分の価値」を見せる工夫

たとえば、800円の定食を1,200円に値上げするとします。単純に「400円値上げ」ではなく、こんなふうに伝えることができます。

  • 旬の地元野菜を使った小鉢を1品追加
  • ご飯の銘柄を明記(「○○産コシヒカリ使用」)
  • 手書きのメニューカードで食材のこだわりを一言説明

400円の差額に「なるほど」と思えるストーリーがあれば、お客さんの納得感はまったく変わります。

フランスでは物価・人件費の高騰により、1日あたり6件の飲食店が閉店しているというデータがあります。日本の飲食店の価格が「安すぎる」状態は、今や経営存続に関わる問題になってきています。価値を正直に伝えることは、お客さんへの誠意でもあります。


H2: 値上げ後の「客離れ」を最小化するために——常連客との関係維持が鍵

段階的な値上げをうまく進めても、もう一つ大切なことがあります。それは、値上げ前後の常連客とのコミュニケーションです。

突然レジで「あれ、値上がりしてる」と気づくより、事前にひと言「来月からメニューを一部リニューアルします」と伝えるだけで、お客さんの受け取り方はまったく変わります。

また、値上げ後に「またここで食べたい」と思ってもらう仕掛けも重要です。値上げのタイミングで来店してくれたお客さんに感謝を伝えたり、再来店を促すクーポンをお渡しするだけで、価格改定後の離脱率は大きく下がります。


まとめ

食材費の高騰に対処するために、今日から取り組めることをまとめます。

  1. 正しい値上げ幅を計算する:「現在の原価率 ÷ 目標原価率 − 1」で必要値上げ率を把握する
  2. 2〜3年の段階的ロードマップを作る:1回あたり5〜10%の小幅値上げを計画的に実施する
  3. 付加価値を見せて納得感を高める:旬の食材や一言説明で「なぜこの価格か」を伝える
  4. 常連客への事前告知と再来店フォローを忘れない:値上げ後こそ、顧客との関係維持が利益回復のカギになる

平時から計画的に価格を見直す習慣と、お客さんとの丁寧なコミュニケーション。この2つが、値上がりの時代を乗り越える飲食店経営の基本です。

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