飲食店倒産が過去最多900件超え——「数字管理」できている店だけが生き残る5つの法則
2024年の飲食店倒産は約900件と過去最多。売上があるのに突然閉店する店が急増中。FL・人件費・借入を正しく管理して利益を残す実践ノウハウを解説します。
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2024年の飲食店倒産件数は約900件に達し、コロナ禍を超えて過去最多を記録しました。さらに2025年上半期は前年比約13%増のペースで推移しており、このまま進めばさらに記録を塗り替える見込みです。
「うちは毎日席が埋まっているのに、なぜお金が残らないんだろう……」
こう感じている飲食店オーナーは、今とても多いです。原因のほとんどは料理の質でも集客力でもありません。数字の管理方法にあります。この記事では、生き残っている店と倒産する店を分ける「数字管理の差」を、具体的な視点から解説します。
なぜ「繁盛しているのに閉店」が起きるのか
飲食店の営業利益率は、多くの業態でわずか1〜8%です。居酒屋やファミリーレストランに至っては1〜5%が実態です。売上が1,000万円あっても、手元に残る利益は10万〜80万円しかないという世界です。
この薄い利益率の中で、近年は食材価格が前年比10%以上、最低賃金が6%以上上昇しています。以前は「FLRコスト(食材費+人件費+家賃)は売上の70%未満に抑えろ」が業界の常識でしたが、今はFLRコストが75〜80%を超える店舗が続出しており、その基準自体が崩壊しつつあります。
売上を管理している経営者は多い。でも利益を管理している経営者は少ない。
ここに最大の落とし穴があります。
今すぐ確認すべき「3つの危険信号」
① 損益分岐点を1円単位で把握していない
損益分岐点とは「この売上を下回ると赤字になる」というギリギリのラインです。これを感覚ではなく、固定費・変動費を積み上げて計算できている経営者と、そうでない経営者の間には、信じられないほどの収益格差があります。
まず今月の固定費(家賃・人件費の固定部分・借入返済・光熱費の基本料)を合計してみてください。その金額を「1 − 変動費率」で割った数字が、あなたの店の損益分岐点売上高です。
② 人件費を「月単位」でしか見ていない
人件費は月次でなく、日次で管理するのが正解です。今日の売上予測に対して、今日の人件費は何%だったか。この数字を毎日記録するだけで、シフトの組み方と利益の残り方が大きく変わります。
「なんとなく混みそうだからスタッフを多めに入れる」という習慣が、知らず知らずのうちに利益を削っています。売上予測から逆算してシフトを組む習慣に切り替えましょう。
③ 借入返済が月間売上の10%を超えている
これは特に見落とされがちな危険信号です。損益計算書の上では黒字なのに、借入返済で現金が底をつく「黒字倒産」が飲食業界で急増しています。
返済額 ÷ 月間売上 を計算してみてください。10%を超えていたら、すぐに金融機関と返済計画の再交渉を検討してください。「もう少し頑張れば返せる」と先送りするほど、選択肢が狭まります。
利益を残す店が実践している「数字習慣」3選
習慣1:原価率は「メニュー全体のトータル」で管理する
看板メニューに原価をかけるのは集客上必要なこともあります。ただしそれだけで終わりにせず、調理が早く原価の低い「スピードメニュー」を戦略的に組み合わせることで、トータル原価率30%以下を目指す設計が大切です。
「あのメニューは原価が高いけどお客さんに人気だから」という感覚任せの判断をやめ、メニュー全体の原価率を定期的に計算する習慣をつけましょう。
習慣2:人件費をコストではなく「投資」として捉える
スタッフを何でもできる「オールラウンダー」に育てると、少人数でもオペレーションが回るようになります。教育コストは短期的にはかかりますが、中長期では人件費率の低下と顧客満足度の向上が同時に実現します。
習慣3:リピーターを「資産」として数値化する
新規客の獲得コストはリピーター維持の5倍以上かかると言われています。にもかかわらず、多くの飲食店は「今日の売上」は管理しても「今月のリピート率」は管理していません。
来店頻度・客単価・最終来店日——この3つを把握しているだけで、利益を守るための打ち手がまったく変わってきます。「誰が、いつ来て、いくら使ったか」を記録・分析することが、損益分岐点を安定して超え続けるための土台になります。
まとめ:「売上を追う経営」から「利益を設計する経営」へ
2025年の飲食業界を生き残るキーワードは、数字を感覚ではなく仕組みで管理することです。
- 損益分岐点を計算し、毎月更新する
- 人件費を日次で記録し、シフトを逆算で組む
- 借入返済が売上の10%以内に収まっているか今すぐ確認する
- 原価率はメニュー全体のトータルで30%以下を目指す
- リピーターの来店頻度・客単価を「資産」として追いかける
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